第100回 目先のカネ

  • レポート
  • 2013.10.31

私共では例年わずか1人か2人ですが新卒の採用をしています。
内定を1年以上前に出して、来年4月からよろしくね、とやるわけです。

入社までのこの期間、定期的に一緒にランチをしたりするので彼らが何をしているかもよくわかるのですが、かなりの時間をアルバイトに精を出すケースも少なくありません。

彼らにとって
・時間は無限にある。
・オカネはちょっとしかない。

そうであれば、余っている時間を売って不足するオカネに換えようとする行動は合理的なのかもしれません。

ただ、それはその1年間だけを短期的に見ればの話で、社会に出てからの長い時間を考えれば話は変わります。

税理士になりたければその勉強をして早めに合格すれば、生涯年収は千万単位で違ってきます。
税理士が特別儲かるわけではないですが、会計税務業界にいる場合、資格の有無は当然収入を左右します。

受けないなら最初から受けない選択をすれば良く、私はそれで良いと思っていますが、良くないのは中途半端に目指すことで、これによってさらにオカネと時間を無駄にすることになります。

ただ、このようなことを言ったところで若い彼らにはあまりピンと来ていないようで、それがちょっと残念なところです。
(その頃の自分も、時間だけは無限にあると思っていましたからしかたがないことなのですが。)

ハーバード大学で「子供が自分の両親よりも経済的に裕福になるとき、その原因は何か?」と調査をしたところ、有効な解は一つしかなかったそうです。

「何かの意思決定をするときにどのくらいの期間を考慮に入れるか。
つまり、長期的視野にたち、将来の報いを得るために、即座の満足を後回しにする道を選んでいる人は、経済的により豊かになる。」

短期思考の権化のイメージのあるアメリカでの研究結果というのも不思議な感じがしますが、そうなんでしょう。

目先のカネに惑わされない。

来年のうちの新卒諸君は見てくれているでしょうか?
「卒業旅行や資格学校のような投資は大事だから、オカネがないなら借金して行ったらどう?
就職すればすぐにそんなものは返せるから。」

バイトをして卒業旅行に行く。
オカネがないから就職してから資格学校に行く。

一見立派ですが、社会人になれば放っておいても学生がバイトで稼ぐくらいのオカネはすぐに手に入ります。
目先のオカネに惑わされて、大事な判断を誤らないことが必要です。

*********************** まとめ *****************************

目先のカネに惑わさない。
・時間は無限ではない。
・長期的視点に立つ。

*********************** あとがき ***************************

以前からお世話になっている原田陽平社長が出版されました。
『スマホ1台で月100万円稼ぐ人になる!』

現在はご家族で香港在住の同社長による2冊目。
タイトルから受けるイメージとは異なり、一言で言えば、プロとして仕事をするための本です。
前著と同様、最初から楽して努力せずに稼ぐことを勧めているどころか否定しています。
ここで扱うアフィリエイトの世界は、簡単に入れるけど成功するには地道な努力とビジネス感覚が必要という、当たり前のことを書いているのですが、そこが新鮮な気がしました。

たとえば、早い段階で外注を使って作業をアウトソーシングしようという話が出てきます。
個人の小遣い稼ぎのイメージがあるこの世界にその感覚を持ち込んでいるところに成功する要素の一端を見た気がしました。

是非ご一読を。