第148回 後悔

  • レポート
  • 2017.10.31

もう10年以上お付き合いさせていただいているお客様のN社長。
その方の行動の判断基準は明快です。

後悔するかどうか。

人は、何かをやって後悔することよりも、やらずに後悔することが圧倒的に多いというのは通説になっています。

人は、
〇〇をしなければ良かった、と後悔するのではなく
○○をすれば良かった、と後悔するというもの。

 

そのことを知ってか知らずか、N社長は、迷ったらやる。
というか、迷う前にやる、というのを地で行っています。

 

そのため、私を含む周囲の人へのアドバイスも明快です。

以前私が、「子供の調子が悪くても、たいしたことがなさそうだと、この程度で病院に連れていくのもどうかな、と躊躇しちゃうんですよね」と言ったことがありました。

それを聞いたN社長、
「いやそんなの絶対行っといた方が良いですよ。
それで何かあったらきっと後悔しますから。」
とおっしゃいました。

確かにそうです。
本当にたいしたことがなければ良いですが、もしそれを放置したことによって取り返しのつかない事態になったとき、後悔するでしょう。

以来私は、昔はこんなことで病院には行かなかった、という類のことは封印するようにしました。

 

また、半年ほど前、他のお客様を交えてゴルフに行ったとき、
1人が別荘を買うかどうかを迷っていました。

迷っている方ご自身、成功されている社長です。
会員権が約2千万のゴルフ場での会話であって、その方ご自身が会員ですから、迷っている桁が私などと違うのですが、それにもN社長がバシッとおっしゃいました。

「買いたいと思ったとき、買えるのであれば、買った方が良いですよ。」

要は、買いたくても買えないのであれば仕方がないが、そうでないなら買うべきだ、とのこと。

ご自身も実際そうされてきたそうです。
というか、かなり間近でその様子は拝見してきましたし、その場にいたもうお一人も、これはN社長の持論ですよね、と相槌を打っていました。

もちろん、買って後悔するものもたくさんあるのだとは思います。
しかしながら、冒頭の話に通じるものがあって、真剣に迷うようなものであれば、
・買わなければ良かった、
よりも
・あのとき買えば良かった、
ということの方が多いのかもしれません。

時間が無限にあると思っていた若い頃とは違い、私もなんとなくそのような気がします。

ということで、ここで突然小さい話になって誠に恐縮ですが、先日ノートPCを買いました。

厚いし、重いし、すぐ熱くなってファンの音はうるさいし、よく使うAとOのキーはへこんできたし、左クリックが効きにくくなってきたし、起動までに結構な時間がかかるけど、4,5年前、メモリを奮発して16GB積んだものだからなぁ、とか思いながら使っていたもの。

買い替えて良かったです。

薄くて軽く、静かで熱くならない。
超高速SSDとやらで、電源を入れてから10秒以内で起動。
メモリは8GBですが、CPUがCOREi7(第8世代)だからか、とにかく、アプリケーションをまたいだ動きなどもとても速い。
さらに言えば、きれいで格好良い。
なので気分も良い。

商売道具で、家や出先でいつも使っているものだから、本当は最高のものを使うべきだったのですが、ケチっていました。

もちろんこのくらいは買えるんです。
ただ、自分への戒めとして、会社のオカネを使うからこそ、自分好みでホイホイ買っては、そんな気持ちが各所に派生して、いずれは事業を傾かせるのではないか、という迷信のような気持ちがありました。

 

以上、経済的環境は人それぞれですし、ポリシーもありましょうから、買い物についてはあくまでもご参考まで。

ただ、将来後悔しないかどうか、を判断基準にして行動する、というのはぜひ実践されると良いと思います。

 

*************************** まとめ ********************************

後悔しないかどうかを判断基準にする。

***************************あとがき*********************************

先日『OPTION B』という本を読みました。

女性の社会進出の背中を押す『LEAN IN』を書いた、facebookのCOOシェリル・サンドバーグが書いたもの。

『LEAN IN』もよかったですが、こちらもしみじみと読みました。

彼女は『LEAN IN』を書いてしばらくした後、最愛の夫を亡くしました。
本書は、そこで打ちひしがれた自分が立ち直るために必要だとわかったこと、が書かれていました。

何かで立ち直れないような状況に直面したときにやってはいけない3つ
・自責化
こんなことが起こったのは自分の責任だと思ってしまうこと
・普遍化
このような悪い状況が人生の他の局面にも影響すると考えてしまうこと。
・永続化
こんな不幸が一生続くと考えてしまうこと

「つらいできごとが「自分ひとりのせいではない、すべてではない、ずっとではない」ことに気づけば、子どもも大人も立ち直りが早くなることを、多くの研究が示している。

ネガティブなできごとを自責化、普遍化、永続化しない人は、うつになりにくく、状況によりよく対処できるのである。」
と書かれていました。

参考になりますね。