第43回 田村対桜庭

  • レポート
  • 2009.01.05

今回は、万人受けするタイトルではなく恐縮です。
大晦日、内容はともかく、両者の試合を感慨深くTV観戦し、その後あれこれ考えてみました。

ちょうど同世代というのもあるのですが、会計士試験に受かったばかりのころ、同じく受かったばかりの友人達と、二人の所属するUWFインターナショナル(通称Uインター)の試合を良く見に行っていたからです。 武道館、東京ベイNKホール、両国国技館、KINGDOMになった後の代々木第2体育館にも行きました。
(プロレス観戦に行く、というと、外見からも、やっている仕事からも意外に思われるようです。
ただ、かなり久しぶりですが、先日も、たまたま話が盛り上がったお客様と一緒に、全日本プロレスに行ってきました。)

そのころの桜庭選手は田村選手よりもかなり格下でした。
というよりも田村選手は高田代表に次ぐNo.2であるのに対し、桜庭選手はその他大勢の中の1人で、他の選手とやっても(Uインターのスタイルとしては珍しく、さそり固めを良くやっていた記憶がありますが、)あまり有効な攻撃を加えられないまま良く負けていました。

その後、団体自体が分裂して違う道を歩んだ2人が、あれから10年以上経って、今、全国ネットのリングで2人で戦っているわけです。

まさにプロフェッショナルの彼らは、自分を鍛えながら、活躍の場を求め、自分自身をプロデュースしてきたのでしょう。
もちろん強いことが重要ですが、興業という側面もありますから、自分の売りになるキャラクターを作ってきたのだと思います。

今回、田村選手は「孤高の天才」、桜庭選手は「IQレスラー」というタイトルが掲げられていました。
昔を知っていると「IQかなぁ?」とも思うのですが、ここ数年の実績はそれを裏付けているのだと思いますし、そうしていると、周りも自分もそのようになってきます。

一見無関係のようですが、こうしたタイトル、アピールは、実は他の業界でも参考にすべきだと思います。
たとえば、私達の属する会計業界もそうです。
単に会計士です、税理士です、簿記ができます、税金がわかります、というのは、最低限の条件であって、それに加えて何でアピールできるか、ということです。
たとえば、「医療法人専門の会計事務所」、「相続税専門の会計事務所」、としてHPを作ったりしている事務所はすでにあります。
(実際は専門でないことも少なくないようですが。)

そこで私共ASCが考える売り・ないしは売りにしたい目標、を言葉にしようと思うと、少し格調に欠ける部分もありますが、
「バックオフィスの完全サポーター」
「使える会計を売る会社(会計サービスプロバイダー=ASP?)」
「御社の経営企画部」
「社長の参謀役」
「節税請負人」
「M&Aの戦略パートナー」
といったタイトルになるでしょうか。
さらにいえば、「いつも自分のことと思って相談に乗ってます」、「お客様満足度が高いのでご紹介いただく率も高いです」、とかもアピールになるのかもしれませんし、 もう少し格好の良い言葉にして、名刺にも刷り込んで行く必要があるかもしれません。

いずれにせよ、こうした方法以外にも、すでに多様なアプローチで、差別化・ブランド化を試みている事務所があるようです。

資格により閉鎖された会計業界ですらこうですから、他の業界ではもちろん必要なのだと思います。
そうでないと価格で競争するしかなくなってしまうからです。
(たとえば、教科書的に良く例に出されるのがガソリンですが、ほとんど差別化のしようがないので、主な競争要因が価格になってしまっています。)

専門用語では、差別化戦略とか、限定された市場を狙う特化戦略・ニッチ戦略、とか言われますが、要は「人と同じことをやっていてはだめ。」ということですね。
私共も、お客様によりご満足いただける会計事務所は何なのかを模索し、支持していただけるよう、今年もがんばっていきたいと思います。

まったく無関係とも思えるタイトルをきっかけに、新年にあたって、今後のあるべき方向を考えながら書いてみました。