(メルマガ)経営課題としての労働者問題

  • レポート
  • 2011.05.15

☆★☆────────────────

~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント

────────────────第45号

多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。

なお、筆者執筆中の(株)ASC・中村会
計のHPのASCレポート
(http://www.asc-report.jp/)との関係
は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
___________________
目次
■今回のテーマ:
経営課題としての労働者問題
■まとめ
■編集後記
___________________

■経営課題としての労働者問題
___________________

今回は特に経営者寄りに書きます。
お勤めの方にとっては気分が悪いこともあ
るかもしれませんがご容赦ください。

最近改めてひどいなぁと思うことですが、
誤解を恐れずに言いますと、
・日本は労働者を過剰に保護しすぎている

逆に言うと、
・日本の経営者は、必要以上に労使問題で
のリスクにさらされている。
ということです。

世の中には、残念ながら一定割合で悪い人
間がいます。
ここで悪いとは、権利だけを主張して義務
を果たさない人間とさせてください。

そんな人を雇った経営者は、今の日本では
基本的に我慢するしかありません。
犯罪的なことでもしない限り、解雇できな
いからです。

そして、がまんできず解雇した場合、ネッ
トで都合の良い話を調べ、知り合いや労働
基準監督署に相談して不当解雇を主張して
きます。

最近は弁護士業界の事情も手伝って、積極
的にこうした問題にかかわる弁護士さんも
増えてきており、不当解雇だ、残業代の未
払いだ、と訴えられる経営者も増えてきま
した。

実際、私どものお客様でも、
・数ヶ月前に円満退職したはずのA君から
メールが着て、
自分はもっと残業代がもらえることがわ
かった。
金額は別紙のとおり○○円。○月○日ま
でに支払われなければ法的手段を取らざ
るを得ないのでよろしく。
と書いてあった。

・事業縮小の過程で解雇したBさんから連
絡があった。
自分と一緒に働いていた人はまだ辞めて
いないのに私だけ辞めさせられるのはお
かしい。
不当解雇なので、慰謝料とともに○百万
円支払ってほしい。
なお、弁護士を立てたので、連絡は弁護
士まで。

といった話がつい最近もありました。

そして、私が見る限り、こうした問題は、
労働者側に偏った和解を勧められて決着す
ることが多いようです。

これは私の周りに限った話ではなく、結構
大きな問題となってきているため、訴えら
れる企業側の味方である会計事務所はどう
した対応をとるべきか、といった業界内で
のセミナーも増えています。

こうした制度の背景には、
・終身雇用制度が前提で労働市場に流動性
がない。
・経営者=強者、労働者=弱者
という、戦前から戦後のある時期日本にあ
った社会構造が基礎にあるのでしょう。

ただ、現在の状況に照らしてこうしたケー
スを考えてみてください。

リスクを取ってなんとか起業したAさん。
そのAさんの会社に、転職を繰り返してた
またま入社したBさん。

AさんとBさんが争ったとき、どっちが強
者で、どっちが弱者でしょうか?

時間的・金銭的余裕がある点で、むしろB
さんの方かもしれません。

Bさんはさらに別の会社に転職して、収入
も時間も保証された上で、要求をひたすら
Aさんに向けていきます。

一方のAさんは、自分の事業を切り盛りす
るのに精一杯で、時間もオカネも余裕があ
りません。
その上でBさんとの争いを受けて立たなけ
ればならないのです。

上がる土俵も、労働者であるBさんに有利
に作られています。

税制もそうですが、働く場を提供するはず
の企業に冷たくして、日本はよくもここま
で持っているな、と逆に感心してしまいま
す。

もちろん、本当に悪い経営者もいるからな
のでしょうが、それにしても・・・という
感じです。

こうした課題を未然に防止するための対策
も多少はあるので、会社を経営されている
方、将来起業しようと思われる方は、もち
ろん専門家を味方につけることも重要です
が、ご自身でも労働問題についてもしっか
りと認識して最低限のことは勉強しておい
た方が良いと思います。

■まとめ
___________________

最近は労働問題は大きな経営課題となって
いる。
経営にかかわる人は、しっかりと認識しな
ければならない。

■編集後記
___________________

1.お客様に勧められ、コミック「カイジ
」を読みました。

映画化もされていますが、とても面白かっ
たです。
特に最初のシリーズである「賭博黙示録カ
イジ」は、娯楽としてだけでなく、株式や
商品相場の動き、人の心の働きかたなどの
勉強にもなるかもしれません。
http://p.tl/jy0q

2.下の子(0歳)の写真を撮ったら、枝
野官房長官に少し似ていました。

枝野長官も、見ようによっては赤ちゃん顔
でかわいいのかもしれません。

ただ、下記の回の最後で紹介したとおり女
の子なので、今の一時期だけのことであっ
てほしいと切に願っています。
http://archive.mag2.com/0001000369/20100929200000000.html
___________________

メールマガジン「成功の研究」

☆発行責任者:中村健一郎
☆公式サイト:https://www.ascinc.co.jp/
☆問い合わせ:info@ascinc.co.jp
☆登録・解除:
http://www/mag2.com/m/0001000369.html