(メルマガ)税務署と真実

  • レポート
  • 2013.05.15

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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント

────────────────第93号

多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。

なお、筆者執筆中の(株)ASC・中村会
計のHPのASCレポート
(http://www.asc-report.jp/)との関係
は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:税務署と真実
■まとめ
■編集後記
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■税務署と真実
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先日お客様からご相談がありました。

約20年かけて貯めたたんす預金が8百万ほど
あるのですが、これを少し前に立ち上げた
会社が資金不足の場合に使って良いでしょ
うか?
とのこと。

ご自身は、自分のおカネだけでなく、お祝
いなどで個人的にいただいたものなどを積
み上げてきてしまった。

税務署に何か言われるのは嫌だ。

今となっては捨ててしまった方が良いので
は、と思うくらいです。

と悩まれていました。

これに対して私は、気にせず会社が困った
ときに使ってくださいと言いました。

贈与税の時効(5年又は7年)の話をする以
前に、
800万円÷20年=40万円/年です。

徐々に積み上げたものなら、仮に全額がも
らったものであっても贈与税の基礎控除(
今は年110万円、過去は60万円でした)の枠
内ですから問題ありません。

相手が税務署でも、真実がその通りであれ
ば、証拠力が弱くても堂々と主張すれば良
いわけで、これは法人税や所得税でも変わ
りません。

それを話したら、「すっきりしました」と
安心してお帰りになりました。

 

ただし、逆に真実でないもの、突かれたら
降参するしかないもの、は最初から主張し
ないことが得策です。

調査立会の過程で、苦し紛れに思いついた
話を税務署に説明してよいか相談を受ける
ことがたまにあります。

私は、立場上はもちろんこれに同意できな
いのですが、仮にその立場でなかったとし
ても基本的にお勧めしません。

なぜなら、特にその場で思いついたような
嘘は、必ずどこかで破綻しているからです

前後の説明との脈絡はもちろん、税務署は
反面調査をし、本人が通帳をなくしたり本
当に忘れている銀行口座であっても金融機
関で取引を照会してきます。

また、税務署と聞くとびっくりしてしまっ
て、何でもしゃべる人もいますから、他人
に口裏あわせの協力を期待するのも基本的
にやめた方が良いでしょう。

以前の調査で、お客様が私物としてオーダ
ーした先の店主に「皆さん経費にしてます
よ」とそそのかされて帳簿に入れていたも
のがありました。

決して高額ではないが少し違和感のある取
引として、税務署がその店に照会をかけた
ところ、店主は聞いてもいない話も含めて
洗いざらい話したとのことです。

当然仮装隠ぺいがあったとして重加算税の
事案です。

私としては、税務署に聞かれてしゃべるく
らいなら最初から勧めるなよ、と思うので
すが、実際税務署や警察は慣れていない人
にとっては特に恐いのでしょう。
(私も警察は慣れていないので恐いです)

真実は主張すべきだし、グレーなものも苦
し紛れでも言い訳できる余地があるものは
かまいません。

ただ、言い訳もできないブラックなものは
最初からやめときましょう、という話でし
た。

■まとめ
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相手が税務署でも、証拠力が弱くても、そ
れが真実なら堂々と主張しよう。

■編集後記
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昨日は香港に一家で移住された会社の社長
が久しぶりに私共の事務所にお見えになり
ました。

facebookで近況とメッセージはいつもチェ
ックさせていただいております。

その基本的なものに、居心地の良い場所に
留まっていては成長しないよ、というメッ
セージがあります。

職住隣接を極端にしてしまい、土日も含め
て近所をウロウロしている私にとっては少
し耳の痛いところですが、これもまた事実
だと思います。

よろしければ下記をチェックしてください
。違った視点が得られると思います。
原田陽平公式FACEBOOKページ
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