(メルマガ)銀行用

  • レポート
  • 2015.07.15

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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント

─────────────── 第145号

多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。

なお、筆者執筆中の税理士法人ASC・
(株)エーエスシー・中村会計HPのA
SCレポート
(http://www.asc-report.jp/)との関係
は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:銀行用
■まとめ
■編集後記
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銀行用の決算書。
聞かれたことがあると思います。

簡単に言うと、銀行が融資しやすい利益が
出ている決算書。

一方で、税務署に出す用の、利益が出てい
ない本当の決算書

やめてほしいのですが、私共のお客様に対
して、したり顔で銀行用に税務署に出した
のとは別の決算書を作ってもらえば良いの
だ、などとアドバイスする人がいたりしま
す。

昔はそのようなこともかなりあったようで
すが、今はありません。
(成り行き上、銀行員が積極的に協力する
ケースは今もあるようですから、それは除
きます。)

なぜなら現在、銀行が決算書だけで審査す
ることはまずないからです。

通常は、決算書はもちろんですが、
・税務申告書を出してください。
・納税証明書を出してください。
と言われます。

これは、会社に対しての融資だけでなく、
経営者個人に対する住宅ローン等の融資に
ついても同じです。

経営者が個人で融資を受けようとしても、
会社の決算を見られます。

そこで、もし税務申告書を出した場合、
決算書と税務申告書は別表4という紙でつ
ながっていますから、決算書だけで利益を
出すと整合が取れなくなります。

理論的には、税務申告書まで整合をとって
準備することはできますが、銀行は税務署
が受付けた証明付のものを求めます。

税務署の受付印(今は電子申告が多いので
、税務署の受信記録データ)です。
でも、これは作れません。

仮に、そこをクリアしても(といっても受
付印の偽造など始めたらもうあちら側の世
界になってしまいますが)、利益の出た申
告書には、過去の欠損金を繰り越してきて
いる場合を除き、必ず税額が発生します。

つまり、税金の納付がないとおかしい。

税金の納付があるなら、納税証明が税務署
で取れるはずですが、取れませんね。

納税証明まで偽造したら、それこそ立派な
犯罪者です。

つまり、何重にそれっぽく作ってもすべて
を整合して用意することは不可能なのです

残念ながら、というか当然と言うか、実際
に利益を出して、納税までしないと、利益
の出ている決算書と言うのは成立しないの
です。

以上、銀行のためだけに作る決算書で利益
を出しても無駄、というお話でした。

 

ちなみに、、、、(以下は参考です)

銀行用と言った場合、表示の変更だけを行
う場合はあります。

たとえば、税務署提出分では短期借入金1本
で表示されているものを、銀行向けでは、1
年以上先に返済予定の分を長期借入金に動
かす、と言うように。

これをやっても利益には影響しません。
借入金の総額にも影響しません。

それでもやるのは、銀行は財務分析をしま
すから、同じ借入金でも短期よりも長期で
返せば良いものに振り替わっていた方がポ
イントが高い(スコアが良い)からです。

とはいえ、これは税務署に出す決算書の段
階でそうしておけば良かっただけの話です

見られて困るものではなく、厳密には、銀
行だけにしか見せられないというものでは
ありません。

■まとめ
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税務署用とは別に銀行用の決算書を作って
も無駄。

■編集後記
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マイナンバーがやってきます。

システム屋さんの業界が、良い商機ととら
えてあおってくるので、心配になっている
お客様も出てきています。

そのため、今は、何をどのようにお客様に
ご案内したものか、研究中です。

昨日は週刊ダイヤモンドの『マイナンバー
の正体』という特集記事まで読んでみまし
た。

想像以上のことは書いてなかったわけです
が、とても見やすい。
一見つまらないテーマでも、こんなに興味
深く書けるのだな、と感心しました。

同じテーマでもお役所からのパンフレット
と比べものになりません。

悪の手先のように描かれた税務署員の絵と
か、役所にはもともと役所がマネできない
表現もありますから仕方がない面もありま
すが、どの道にもプロがいるんだな、と改
めて思いました。

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