第220回 重任登記

  • レポート
  • 2023.10.31

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今回は会計事務所を微妙に悩ませる業務の
お話です。

実は「これはうちの仕事かというと微妙な
んだけど。まぁしかたないか。」
と自問しながら対応している業務がありま
す。

それは重任登記対応。

重任登記とは何か。

会社の役員等には任期があるのですが、任
期満了すると、仮にそのまま続投の場合で
も改めて登記が必要となっています。

その登記を「重ねて任じる」と書いて重任
登記と言います。

かつて株式会社の取締役の任期は2年でし
た。
それがいまでは最長10年です。

つまり就任から10年経ったら忘れずに登記
をしなければいけません。

ただ、10年に一度となるとどうしても忘れ
がち。

設立直後に任期は10年ですとお伝えしても、
覚えている方がいるかどうか。

じゃあこの重任登記を忘れるとどうなるの
でしょうか。

経験上、なぜか全件ではないのですが、裁
判所から社長個人に、以下のような通知が
届きます。

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会社法違反事件
過料決定

商号 株式会社XX
被審人住所 XX区XXX-X-X
被審人 XX XX
被審人を過料金XX万円に処する。

理由
被審人は、左記会社の代表取締役に在任中
XX年XX月XX日から2週間以内にすべき下記の
登記をXX年XX月XX日まで怠った


役員の重任
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要は「お前はタイムリーに登記しなかった
から○万円支払え」というお手紙です。

私からすると
「この程度のことで何を偉そうに。
運転免許みたいに「そろそろ登記の時期で
す」ってそっちが案内してこいよ」
と思うのですが、なにしろ裁判所から親展
で届きますからお客様はびっくりします。

どういうことですか、と会計事務所に慌て
て問い合わせる。
(弁護士さんと契約していれば弁護士さん
でしょうが、そのようなお客様は多くはな
いので)

それに対して私共の場合ですと、意味をご
説明しつつ、私達から御案内差し上げるべ
きでしたと謝る。

その上で司法書士さんを手配し、過料をこ
ちらで負担するようにしています。

この流れ上、お客様からすると「ミスは困
ります、よろしくお願いしますよ」となり
がち。

でもこの話、法務のお話です。

会計税務の話ではないので契約対象でもな
く、何かあっても会計事務所が加入する保
険の対象にもなりません。

そのため、理屈からすれば「私達は知りま
せん」と言えるはずですが、現実的にはお
客様自らタイミングよく思い出して司法書
士さんに依頼することは難しい。

こちらもそのような現実を理解しています
からフォローします。

管理しておき、タイミングが来たらお声が
けするようにしますし、適時にご案内でき
ずにお客様に負担が発生した場合、言い訳
せずに責任を取るようにしています。

ただ、通常とは違うタイミングで就任する
取締役がいた場合等、単純に10年おきでな
いこともあって、悩ましい。
気をつけていてもタイミングを外してしま
うことがあります。

そんな時、謝っても、コスト負担しても、
執拗にお怒りになるお客様もいらっしゃい
ます。

ただ、上記のような事情の中、なんとかフ
ォローしようとした結果なので、重任登記
のことで会計事務所が「ごめんなさい」と
言ってきたら、それが私達以外の事務所だ
ったとしても、どうか許してあげてくださ
い。

今回は、重任登記の存在。
遅れると裁判所が偉そうな書類を送ってく
る。
お客様はびっくりする。
本当は法務マターだけど会計事務所の責任
になりがちで少し困っている。

この辺りをご理解いただけると良いなと思
いお伝えしました。


■まとめ
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重任登記対応は厄介

■編集後記
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近況1
コロナが明けて、国税局、税務署、ともに
税務調査で大活躍してしまっています。
正直かなり迷惑。
彼らのおかげで、その対応をする我々がい
るわけなのでしかたがないのですが。


近況2
エクロジャイト(3歳、牡)
10/22(日)東京11Rブラジルカップ(L)
息子と応援に行ってきました。
(娘は中間テスト期間なので妻とお留守番

残念ながら10着。
クラブから報告があり、しょせんは実力な
のでしょうが、なにしろ砂をかぶるのが嫌
いなのでそれも問題のようです。
(スタートで出遅れると他の馬がいない外
を回るしかなくなる)

とはいえケガをせずに無事走ってくれたの
で、これからも応援していきます。