第240回 物価、売上、給料

  • レポート
  • 2025.06.30

こちらは、隔週に配信しているメールマガジン「成功の研究」のバックナンバーを収録しているものです。配信(無料)を受ける場合は下記で登録いただくことができます

https://www.mag2.com/m/0001000369
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

物価が高いと言われています。

確かにそう感じる方は多いでしょう。
特に米やガソリンの値上がりが注目されて
いて社会問題や選挙の争点にまでなってい
ます。

では、今の物価は本当に「高い」のか。

高いか安いかは相対的なものですが、確か
に以前よりは高いのでしょう。
でもこれは、低すぎた水準が是正されてい
るだけなのかもしれません。

先日の日本経済新聞では「東京の給料がニ
ューヨークの半分にすぎない」と報じられ
ていました。2012年はほぼ同水準だったも
のが、いまや半分とのこと。

ドルベースでの比較なので、その差がより
大きく見えるのかもしれません。

そこにはまた、 東京・ロンドン・ニューヨ
ーク、それぞれの中心部で借りる3LDK相当
の家賃も比較されていました。

東京(2,672ドル、約39万円)に対し、ニュ
ーヨーク8,388ドル(約122万円)、 ロンド
ンが5,560ドル(約81万円)だそうです。

これを見ると、物価はこの先抑えていける
ようなものなのか疑問が湧いてきます。

たぶんムリ。
抑えられない前提(=今後も物価は上がる
前提)で行動した方が良さそうです。

なお、企業業績から見ると、物価上昇は売
上上昇につながりますから悪いことばかり
ではありません。

上場企業の好業績ばかり注目されています
が、中小企業を中心とする私共のお客様で
もそう。
過去最高売上・最高益を記録する会社が少
なからず出てきています。

先日は、設備管理系のお仕事をされている
お客様とお話をしました。
数年前までは、取引先の大手企業に対して
価格面で極めて弱い立場にあり、値下げ要
求を受け入れざるを得ない状況が続いてい
ました。

取引先の本社に呼びつけられて、値引きを
指示されるようなことまであったとのこと。

しかし、最近ではその流れが大きく変わっ
たそうで、公正取引委員会や中小企業庁の
強い指導のもと、むしろ「値上げしなくて
大丈夫ですか?」というお手紙が届くよう
になったとのことでした。

また仮に、そんなお役所の圧力がなかった
としても、人手不足・資材高騰の中、安値
受注などしていたら仕事ができない状況が
続いている。

こうしたことが相まって、「仕事を選ぶ」
状況になってきているそうです。

今や一定の人員、技術等の受注能力のある
会社には、安くなくて良いからやってほし
い、と依頼が来るようです。

結果、
利益が取れるものを優先する。
安いものはやらない。やれない。
売上・利益が上がる。
給料も支払も上がる。

物価、売上、給料がぐるぐる回って上がっ
ていくことになります。

そうであれば、個人レベルでもそれに適し
た行動を取って行く必要があります。

これまでであれば、一定以上の現金を抱え
ていたら安心だったかもしれません。
でも、こうした状況下では、むしろ不安を
感じるべきです。

自分は、価値が減るもの(=現金)を無駄
に抱えているのではないか。
チャンスを捨てているのではないか。

現金を貯め込んで安心してはいけません。
その価値は減っていきます。

物価と共に、あるいは物価以上に価値の高
まるものに借金をしてでも投じるべきです。

昨年のことになりますが、昔からお付き合
いのある社長の奥様から「今年社会人にな
った息子に、貯金の大切さを伝えてほしい
」と頼まれたことがありました。

奥様の意図と違うことを言いかねないと懸
念しているうちに話が立ち消えになりまし
たが、なんでもアドバイスしてあげてくれ、
と言われたら、「貯金はほどほどにして、
むしろ借金をしてでも価値の落ちない、あ
るいは上がると考えるものにカネと時間を
投じてください。その先は、自分自身、不
動産、金(GOLD)、株式、なんでも良
いから」と伝えたと思います。

「同じことを自分の子供に対しても言えま
すか?」
と聞かれたら「はい」と答えられますから
自信をもって。


■まとめ
___________________
物価上昇は不可避。
貯金はほどほどにして、
物価に負けない価値に、カネと時間を投じ
るべき。


■編集後記
___________________

本稿では、現金を貯め込んでいたら不安に
感じた方が良い、と書くに留めました。

でも実は私の考えはもっと極端で、抱えて
いる借金が少ないと、「チャンスを捨てて
いるのではないか」と不安に感じます。

そう考えているので、たとえば銀行さんが
カネを借りてくれと言って来たら、金利以
上に有効活用すれば良いだけですから基本
的にそのまま借りています。

あいつは頭がおかしいと思われてしまうの
で、ここにチラッと書きました。