第92回 亀井さんの置き土産

  • レポート
  • 2013.02.28

昨年、政治のあまりのひどさにびっくりして中央官僚が作った制度が動き始めています。

平時同様に縦割りで争っていると日本は本当にまずいことになると思ったらしく、
内閣府・財務省・経産省で
三省合同の政策パッケージという特別の形で出されています。

迫る危機の原因は、
今年3月末に来る亀井さんの金融円滑化法期限切れです。

これにより借金の払いが停止されている中小企業の数は30万社。
(計算の仕方によっては40万社近くになるそうです。)

そして、その債務総額は95兆円(!)なので、
対応如何では本当に日本経済に危機が起こるというわけです。

当然ながら30万社という数は、これまで対応してきた役所の組織では面倒見切れません。

そこで、地域の専門家ネットワークによるコンサルと金融機関の協力でなんとかしよう、という試みです。

予算規模も、そのための実行計画もかなり綿密で、
この忙しい時期、全国80会場に、
既に「経営支援機関」として指定した税理士・会計士・弁護士や他の士業等を加えた
専門家4千人以上を集め、

3日連続それも9時から17時、国費でこの制度に沿った研修会を開催しています。

私自身、先週の木、金、土の3日間連続、
忙しくしている事務所をスタッフの皆に任せて行ってきました。
(国費と言いましたが講師や会場・テキスト代までで、参加者は全員無報酬です。)

参加者は日程を調整しながら行ける会場を選ぶので、
私にとってはたまたま隣駅の会場でしたが、
かなりの遠方から来られている先生もいらっしゃいました。

何しろミッションは、冒頭の通り、
危機に置かれた中小企業30万社を救うこと。

そのため、座学にとどまらず、
大部分が小グループに分かれたディスカッションとケーススタディが中心でした。

その3日間終わってみての感想。
疲れましたが、
こうしたものには珍しく、内容があって意義あるものに感じました。

残念ながら高尚な理想に燃えたからではないのですが、
もともと似たような実務に携わっている者同士なので、
一定レベルを超えたところで議論したり、
意義やノウハウの共有ができたような気がします。

30万社は無理でも、その一部にでも役に立つような気がします。

現在、主に国内向けのこの政策だけなく、もう1つの柱として海外進出支援が走っているとのこと。

日頃官僚の悪口ばかり言う政治家がいますが、
官僚のおかげで政治がダメでもなんとかなってきたのは紛れもない事実で、
その点は正直にありがたいと思わないといけませんね。

今後、金融円滑化法が切れてもたいしたことなかったね、
と思った時には、頑張った官僚のことを思い出してあげてください。

*********************** まとめ *****************************

亀井さんの置土産は3月末、30万社、95兆円。
官僚もがんばっているから、たまには感謝。

*********************** あとがき ***************************

このケーススタディの中で、
返済猶予を受けている会社社長が自宅隣に保有する75坪の遊休地の活用を検討する場面がありました。

東京23区が舞台なので、あるチームからは、
土地を25坪ずつに3分割し、それぞれを建売にして付加価値をつけて売却処分したらどうかという案が出ました。

いくつもある案の1つですから、その場は「それもあるかもね」という雰囲気に。

ただ、そのあとの休憩時間、
うちのチームで熊本から来ている税理士先生は、

・25坪に家を作ってどうやって住むんですか?
・クルマはどうするんですか?
と真顔で聞いてきました。

クルマが必要なら3F建てにして1Fを駐車場にするんですよ。
と周りの先生と一緒に教えてあげたら、とても驚かれていました。

その後も頭をひねっておられ、
熊本では25坪に家を建てる感覚がまったく理解できないのだ、とのことでした。