第128回 相対的

  • レポート
  • 2016.02.29

先日、褒められたと思ったら翌日打ちのめされ、そして、さらに同じことを違う視点から見る機会がありました。

先々週の木曜日。
まず、「御社は進んでいますね。」と言われました。

電話に出た人が、先生の予定を全部把握しているし、どこから(どの電話番号から)かかっているかもわかっているようだったので驚きました、と。

要は、クラウド上のスケジュール管理と発信者番号で相手を特定しているだけなのですが、褒められて悪い気はしません。

しかし翌日の金曜日。
同業の事務所見学に行ってうちのめされました。

他の業界でもあるのでしょうが、会計事務所業界でも同業の先進事例の見学会のようなものがあって、そちらに参加させていただきました。

静岡まで出かけて行ったのですが、その事務所さんでは、静岡・米子・石垣島を拠点にして、個人の確定申告業務を工場のように処理していました。

イメージで言うと、、、
入ってきたオーダーがベルトコンベアーに流され、そこに並んだスタッフが次々に処理して次の工程に送っていく感じです。

ただし、ベルトコンベアーはインターネット上にあって、スタッフは、これもインターネット上にいて各拠点の人がごちゃまぜに並んでいます。

それらの人たちがそれぞれ作業に着手し、完了したら次の工程に送って行きます。

その結果、静岡で受けた案件を石垣島の人が最初に処理し、その次の工程は米子の人がやって、その次はまた静岡、と流れていくようなことが起こります。

グループ内の人材活用を拠点を超えて目指したらこうなったのだそうで、単に人件費の安い地域の人にまとめてやらせる、というのとも違っていて、びっくりしてしまいました。
オフィス内には、工程の進捗状況を刻々と伝えるモニタが各所にあって、それこそ自動車工場のようです。

うちは遅れているなぁとしみじみ思った翌週、別のお客様とお話をする機会があったので、このことをお話しました。

ね、この静岡の事務所さんすごいでしょ、と言う感じで。

すると、その社長はちょっと困った顔で、
私が会計業界を知らないせいだと思うのですが、そのすごさをあまり理解できず、すみません。
とおっしゃいました。

あれ。どうしてかな。
と思ったのですが、なんとなくわかりました。

その社長は、もう何年も前から、中国・香港・日本、時にはヨーロッパ等に移動しながらネット上だけで、ある製品の製造、販売事業を進めているのです。

小さな会社さんなので社長ご自身、注文を受けたりお客様対応をされているのですが、
自分がどこにいても、中国の製造と日本国内での出荷が日々行われています。

そこから見たら、静岡の事務所さんもまぁ普通に見えるのかもしれません。

単に、来た仕事を遠くの人とネット上で共有しつつ仕事を進めている。
最近は良くある話であって、びっくりするような話ではありません。

そのお客様のオペレーションの方は、私から見ると理解可能なところにありましたから、そう考えると今回の静岡の事務所さんも意外に近いところにあるのかな、と思うに至りました。

追いつく、というか、少し参考にさせていただいて、より良い姿を模索してみようかな、と思いました。

遅れている・進んでいる、はきわめて相対的で感覚的な概念なのかもしれません。

そもそも特に情報や技術がオープンな世の中ですから、前と後ろの距離もたいしてついていないことが多く、遅れていると思ってもすぐに追いつけるし、進んでいると思っていてもすぐに追いつかれる、ということが起こるのでしょう。

大変な時代かもしれませんが、同時に面白い時代ですね。

*********************** まとめ *****************************

遅れている・進んでいる、はきわめて相対的で感覚的。
そして、今の時代、そもそも前後の距離は小さいのではないか。

*********************** あとがき ***************************

下の子のインフルエンザA型がようやく治った翌週、上の子がB型に。
そろそろ治ってきたと思ったら今度は下の子がB型になりました。

元気になっても1週間経過するまでは家から出られないので、妻の実家から義母が来てくれたり、週末には元気な方を私の実家に送り込んだり、とあれこれ大変です。

身内を含む、色々な人にお世話になっています。