第4回 税務調査の反面調査について

  • レポート
  • 2002.09.14

今回は、気になる税務調査関連です。

先日、都内のお客様よりお電話をいただきました。
「さっき、大阪国税局の方から電話があって、今近くに来ているので伺いたい、って言うのですが。」
「大阪ですか?」
「はい。」
通常、所轄の税務署から調査の連絡が入ることはあっても、それ以外、それも大阪、というのはめったにある話ではありません。

大阪に取引先があることから、おそらくは反面調査関連の協力かな、と思い、念のために立ち会ったところ、実際そうでした。

お客様はネット取引をされているのですが、今回の調査対象は、大阪で複数の銀行口座を使って売買を行い、税務署に対して虚偽の申告をしていると思われる企業についてでした。

当日は、電子商取引担当の名刺を持った2名の調査官がわざわざ見えて、(もちろん大阪弁で)あれこれ尋ねていきました。

直接の対象でないお客様も、その顧問税理士である私も、結構気楽に世間話をしたのですが、彼らの方からも、最近、特にネット銀行での口座開設がかなり容易に行われているためそれに苦労している、とか、秘密保持のために署内はインターネットにつながっておらず、外部とデータやメールのやり取りもできないようになっている、とか、通常の調査とはまた違った雰囲気で、話してくれました。

結局のところ、どうやら今回の対象者は、税務当局にかなり非協力的で、それが調査官の闘志に火をつけてしまったようです。
まさか、東京にまで反面調査に来ているとは思っていないでしょう。

最後に調査官達は、鞄からおもむろに取り出したCD-Rに関連データを焼いてくれるように頼み、持って帰りました。それを署で分析するとのことで、結構地道で綿密な調査検証をしているようです。

結果がどうなったかは知りませんが、あくまでも礼儀正しい税務担当官達が、多くの人に恐れられている理由を改めて実感した次第です。