第245回 若手の育成

  • レポート
  • 2025.11.30

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先日の税務調査。

税務署も会計事務所も、お互い若手の育成
に心がけている点では同じだな、と感じる
ことがありました。

神奈川県のある税務署管轄の案件。
通常の法人税・消費税・源泉所得税の調査
です。

先方は統括官(偉い人)と若手女性事務官。
こちらは私(一応、偉い人)と担当者+近
々税理士登録する者。

「近々税理士登録する者」は、調査経験を
高めるため、発生する税務調査案件に同席
させ、準備や事後対応に関与させることに
しています。

通常の体制より1名多いのですが、お客様
に追加料金のご負担はいただかずに調査支
援として。

実際、登録間近な者が入るとこちらもより
スムーズに進めやすいというメリットもあ
ります。

調査は概ね通常の手順通り進みました。


2日間の実地調査の後、その後の資料のや
り取りを経て、海外送金やら、受発注、国
内の他拠点で業務従事する人の確認等はあ
ったもののクリア。

最後に残ったのは飲食代でした。

個人的とされる金額が含まれているのでは
ないか、という指摘でした。
夫婦で役員なので、言われやすい部分では
あります。

最終打合せを税務署で社長を交えてやりま
しょうとのことで、
なんでこの程度で、とも思いましたが、伺
うことにしました。
この時点で若手の教育を兼ねていそうだな、
とも思いつつ。

こちら側の「近々税理士登録する者」は、
今回はだいたいわかったので俺は行かなく
ていいとか言い始めていたのですが、
そんなこと言わずに最後まで来なさい、と
連れて行くことに。

現地で交渉の結果、一部の飲食代(50万
弱)を交際費ではなく、社長の役員賞与と
して認めることで決着しました。

その結果
修正申告書を一式作成したとしても、
・繰越欠損金の範囲内なので法人税は動か
 ない。
・簡易課税なので消費税は動かない。
・賞与なので源泉所得税が約1.5万円UP
となりました。

1.5万円のために修正申告や納付書を準
備してお互いやりとりするのは結構大変。

相手は統括官(自分で最終判断できる人)
ですから、こうしたときにありがちな「今
回は少額だし指導に留めます」という感じ
で終わるのかと思ったのですが、「では修
正申告をご用意いただけますか」でした。

え、本当にやります?

はい、お願いします。

わかりました。(苦笑)

こちらの誤りを認めた以上、求められたら
修正するのが筋なのですが、この少額を修
正?
今回は教育の意味もあるからですか、
と軽く振ったら否定はしませんでした。

たしかにここで終わりにしてしまったら、
続く本来の手続きが分からなくなります。

少額とは言え、その後の納税者や会計事務
所とのやり取り、署内での手続は変わりま
せんし、良い勉強になるでしょう。
今の若手の段階で、手を打っているのを見
せるのは良くないと考えたのかもしれませ
ん。

この数か月後、別件の税務調査の際、雑談
でこの話をしたら、
相手の調査官も「まぁそうでしょうね」と
言っていました。

こちらだって教育に使わせてもらったわけ
で、税務署が人を育てる努力をしているこ
とを理解し、協力するべきなのだろうとも
思います。

当の若手事務官は、上司の配慮を理解せず、
単に面倒くさいな、と思っていたかもしれ
ませんが、
そんなことは将来、自分が偉くなった時に
思い出して感謝すれば良いことなのでしょ
う。

今回は、税務署も会計事務所も、双方で若
手の人材育成を心がけている、という話で
した。

■まとめ
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税務署も会計事務所も、双方で若手の人材
育成を心がけている

■編集後記
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前回、
>お客様の管理物件で飼えなくなったワンち
>ゃん(そろそろ1歳)を我が家で引き取り
>ました。
の続報です。
家族にも慣れ、日々楽しく過ごしています。

ただ、
>大量の新品の関連グッズが、小さな本体と
>ともに我が家に届けられました。
の「大量の関連グッズ」をどうしたものか。

うちの廊下の一角(というかそれ以上)を
占拠しています。

飛行機に乗せるときに使う頑丈なケージ、
人間用とも言えそうな大型マットレス、自
動・あるいはWifi経由で遠隔でご飯が出て
くるマシン。

自分は使わない。
汚ければ良いのですが、どれも新品かきわ
めてきれいなので捨てるのは忍びない。

メルカリで売るのは大変だし梱包や送料の
問題もある、と業者に持ち込んで査定して
もらうことにしました。

ペット用品を扱う業者は少ないので別件の
ついでとはいえ、わざわざ千葉県に行った
のですが、出てきたのが留守番のバイトの
ようなお兄ちゃん。
自分で判断する権限、経験、やる気、すべ
てがなさそうなので懸念していたのですが、
的中しました。

残念ながらお買取りしかねます、とのこと。
全部持ち帰ってくることになりました。

オカネは要らないから置いてって良い?と
聞いたら、いやそれも無理、とのこと。

事前の別の方との電話では、少なくともご
飯が出てくるマシンは買い取れると言われ
たんだけど、と言ったら、型番がどうだと
かごにょごにょ言い訳していました。

型番だって言ったんだぞとも思いましたが、
自分の息子のような彼を追い込んでもいけ
ないので、まぁ良いか、と車に積み込んで
帰ってきました。

でも良かったです。
やることはやった、と気分さっぱり全部捨
てることができますので。