第250回 たしかにあった世界
- レポート
- 2026.04.30
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「目標管理制度」を再確認すべく、管理職
達とセミナー動画を視聴しました。
目標管理とは、期のはじめに上司・部下で
目標を設定し、一定期間後にその達成状況
を確認、その成否を人事や給料・ボーナス
に反映する、というのが一般的な理解で良
いと思います。
昔からあるものなので、かつてコンサル会
社にいたとき、クライアント企業に業績給
を導入する際、主要ツールの一つとして接
したこともありましたが、それから数十年。
新しい理論とともに紹介され、あるべき姿、
気をつけるべきことを再確認でき、自社内
にどう取り入れるかはまた別問題として、
参考になりました。
講師の先生ご自身の部下への愛情も伺い知
ることができ、単に管理の道具ではないで
すよ、ということまで分かったような気が
します。
なかなか良かった。
そう思い、講義の中で先生がご紹介になっ
た本も買って読んでみることにしました。
組織全体で目標達成するとはどういうこと
か、小説形式になっていてお勧めですよ、
ということだったので。
あえて書名は出しませんが、読んでどう思
ったか。
正直、違和感を受ける箇所が多い。
しっくり入ってこない。
なぜか。
時代が違うのです。
舞台は1990年頃の日本企業。
平成1ケタ、昭和は終わっています。
にもかかわらず、次のような世界が広がっ
ていました。
-女性がお茶を入れるのが当然
主人公は、名前も出てこない女性が入れた
お茶を日常的に飲んでいます。
-現場で働くのはすべて男性
お茶汲み以外で女性が登場するのは電話応
対のシーンだけ。
業績目標の達成など男性だけでやっていま
した。
-新婚の社員に早く子供を作れと言う
社長が現場の社員とのコミュニケーション
を密にしている好事例として紹介されてい
ます。今ならダメ事例の典型だと思います
が。
-社長が会社近くにアパートを借りて、、、
仕事に打ち込むため。
これは良いとして、「そのうち二号さんで
も」と冗談を言う。
(二号さんて何だ?と思う人は検索)
-若手に日本酒を一気飲みをさせる
周囲がはやし立て、それが微笑ましい光景
として描かれています。
-何かあるとすぐに徹夜してたばこを吸う
急ぎの対応が必要となるとすぐに徹夜にな
り、職場の至る所でたばこを吸っています。
舞台は私が社会人デビューした頃と重なり
ますが、たしかにそうだった気がします。
デスクや会議室には灰皿がありました。
でも、その私が見ても、この職場はまずい
でしょ、と思います。
直すべきところばかりが目についてしまい、
この本が伝えたかったであろう目標達成に
向けた考え方の話が入ってきませんでした。
たしかにあった世界
平成になってからもこれだけ変わってきて
いますから、これからも変わっていくでし
ょう。
私達自身もアジャストしていくことになり
ます。
「えー、こんなことまで」という変化を求
められる。
その都度対応する。
その先で、昔広がっていた世界が別世界の
ように思える。
「令和1ケタはこんなだったんだ」
今の若手が数十年後、信じられない世界と
して紹介していることでしょう。
■まとめ
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平成1ケタの職場は今とは大違い。
これからも変わっていくでしょう。
■編集後記
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本稿のように、古い本には要注意です。
もちろん名著はありますが、時代背景が違
うとかえって有害なこともあります。
以前、ランチェスター戦略を扱う古い本を
読むことがありました。
そこには
中小企業が大企業に勝つには長時間労働が
必要だと書かれていました。
かつてはそれを読んで、死ぬほど働いた人
達がいたでしょう。
でも、今の時代であれば「はたしてこれは
戦略なのか?」と疑われることと思います。







