(メルマガ)インボイス制度

  • レポート
  • 2019.03.15

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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント

─────────────── 第233号

多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。

なお、筆者執筆中の(税)ASCのHPの
ASCレポート

ASCレポート


との関係は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:インボイス制度
■まとめ
■編集後記
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今日は真面目な話題を1つ。

今年10月の消費税法の改正。
・税率10%。
・食品は軽減税率の8%。

ここまではご存知の方も多いと思います。
分かりやすいし、身近ですから。

ただ、これらと一緒にさらっと導入された
ものがあります。

・インボイス制度

平成35年10月施行と先の話で、かつ、
生活者には関係がないのでほとんど話題に
なっていません。

しかし、経営者、中でも起業家や中小企業
者・フリーランスには大きなインパクトが
ある改正です。

国はこれで2千億円の税収増を見込んでい
て(2019年1月19日日経)、ターゲ
ットが特定の個人事業主・中小企業層に限
定されているため、その層にとっては大き
な影響です。

どんな改正か?

「益税」という言葉がありますね。
お聞きになった方も多いと思いますが、消
費税を受け取った事業者が合法的に納税し
ないオカネのことです。

たとえば
A社(フリーランスのAさんでも同じです
)は、54万で仕入れて108万で売った。

普通なら8万-4万=4万を納税します。

しかし納税しない場合があります。
会社設立をして2年ほど、あるいは取引規
模の小さい多くの個人事業主・中小企業等
は納税の必要がないからです。

このような納税を要しない事業者を免税事
業者と言いますが、その手元で4万は益税
となります。

一方、A社から108万で仕入れて162
万(うち税12万)で売ったB社は
12万-8万=4万しか納税しません。

免税事業者から買った108万でも、うち
8万は消費税だった、として引けるのです。

つまり、益税はそのままA社の懐に入った
ままになっています。

今回のインボイス制度はこれに歯止めをか
ける、要は益税つぶしを実現する仕組みで
す。

B社がこれまで通り
>12万-8万=4万しか納税しません。
とするには、
つまり税金の計算上8万を引くには、
仕入先から「適格請求書」なるものを受け
取っていることが条件になります。

「適格請求書」を発行できるのは消費税が
課税される事業者だけ。

つまり、免税事業者は「適格請求書」を発
行できません。

免税事業者であるA社から仕入れているB
社の納税額は、
このままだと
12万-0万=12万(!)となってしま
うのです。

当然B社としてはこれではかなわないので、
A社に対し、
「免税事業者をやめて課税事業者になって
くれ」
と頼むか、別の「適格請求書」を発行でき
る(=課税事業者である)仕入先を探すこ
とになります。

A社としては、取引を失うわけにはいきま
せんから免税のままでいるわけにはいかな
い。
あえて課税事業者になる旨税務署に届け出
る、ということになります。

取引の中で、自然と消費税を納める行動に
出るように仕向けるわけで、政策的には正
しいものだとは思います。

ただ、すべての企業がもらった請求書をこ
れまで以上にチェックする必要が出てきま
すし、当事者である個人事業主や中小零細
企業にも負担が増える話になります。

あえて免税事業者を狙って会社を設立する
ケースもありますから、そちらへの影響も。

私達がお客様に案内していくこともさらに
複雑になっていきますから、若干憂鬱です。

税務調査でも、「適格請求書」がないのに
・・・と指摘を受けたり混乱が予想されま
す。

生活者に影響がある税制改正は騒がれます
が、そうでないものはさらっと導入される
ことが多く、今回はまさにその典型例と言
えそうです。

フリーで働かれている個人事業主や中小企
業、そのような相手と取引する会社の方に
とって大きな影響があります。

まずはそんな話になっている、ということ
だけでもこれを機にご認識いただくと良い
と思います。

■まとめ
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インボイス制度がさらっと導入されていま
す。

「消費税は免税の方が良い」という常識を
変えるほどのインパクトがあります。

 

■編集後記
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今年も小学校の卒業式に来賓として参加し
てきました。

卒業生は皆の前で将来就きたい職業を大き
な声で言うのですが、
今年の男子はプロ野球選手(メジャーリー
ガーを含む)が多かったようでした。

特に一昨年は医者ばかりで、たまに弁護士
とか会計士まで出てきて、良いんだけどな
んだか子供としてがっかりだなぁと思った
ものですが、今年は何人ものプロ野球選手。

昭和の小学生だった私達の頃と同じようで、
勝手にほっとした気になりました。

プロスポーツ選手で成功するのは宝くじ並
みだとか、そんなのは後で考えれば良いわ
けですから、子供のうちは色々な夢を見て
もらいたいと思います。

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