(メルマガ)必敗パターン

  • レポート
  • 2019.11.15

起業に、こうすれば必ず成功する、という
必勝パターンを見つけるのは難しいですが、
必ず失敗するパターンはあります。

ちょうどそんな一例が日本経済新聞に連載
中の「私の履歴書」に出ていました。

この欄は、各界で活躍されてきた方達が毎
日一話ずつに区切って1カ月間で半生を振
り返るのですが、今月はファンケル池森賢
二会長。
同社は年商12百億円超の超優良企業です。

まだ月の前半なので、お若い頃のお話。
抜粋します。

11月7日(木)朝刊
「休日には東京で開かれる脱サラセミナー
へ顔を出した。
10回ほど通っていると4~5人の顔見知
りができた。
それが十数人に増え、「みんなでお金を出
し合って独立しよう」と盛り上がってしま
った。」
「共同出資者は17人。」
「出資者全員が役員で一般社員はゼロだ。
年長順にポストを決め、私は3番目なので
専務に就いた。」

見るだけで最低最悪のパターンです。
当事者意識の希薄なダメ会社の典型例で、
120%失敗することが分かります。

どんなに良い商売も、これと同じスタイル
で会社をやったら絶対に上手くいきません。

私の事務所でも、これまで1000社超の
会社の設立に関与してきましたが、同格の
メンバーが3人いると安定して経営するこ
とは困難で、それは2人でもあまり変わり
ません。

たとえば、2人で同額出資して2人とも代
表取締役というケースがあります。
わずか2人ですが、これでも極めて高い確
率で失敗します。

なのに、ここでは出資者17人全員が役員
とのことですから絶対に無理。

同日の稿は、その後どうやらうまくいかな
かったらしいことをほのめかして終わり、
その翌日。
11月8日(金)
「ビジネスはなかなか前に進まない。
理由は単純だ。
全員が取締役という”異形”の組織だけに
何も決定できない。」
「まず一番の年長者だった社長がノイロー
ゼで入院してしまった。
次の社長は副社長だ。
だが、3カ月後、会社へ来ると置き手紙が
ある。」
「失踪してしまったのだ。次の社長が3番
目に年上の私だ。」
「開業から3年弱で倒産した。残ったのは
6000万の借金。」

作り話のようにきれいに失敗しています。

まさに、こうすれば必ず失敗するという必
敗パターン。

名経営者も昔はこんな失敗をされたのだと
いうことで、これをご覧の皆さんは、何か
新しいことを始めるとき、組織を作る時は
参考にされると良いと思います。

会社や組織を同格のメンバーで構成すると、
良いのは最初の気分や雰囲気だけで、後で
ほぼ必ず失敗します。

(最近話題のティール組織、あるいは他の
手法によって、それを解決できる可能性は
ゼロではないのでしょうが。)

■まとめ
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必敗パターン
複数の同格のメンバーで始める会社は、ほ
ぼ必ず失敗する

■編集後記
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もう11月。
事務所の忘年会が企画される時期になりま
した。
先日はそこで提供予定の景品アイデア募集
のお知らせが。

何か考えてやろうと1000円~2万程度の間
であれこれ考えました。
・スマホ画面を投影できる小型プロジェク
 ター
(天井に投影すれば寝ながら動画が見える
 らしい)
・忘れ物防止タグ
(財布やカギに付けておくと見つかるらし
 い)
・お昼寝できるハンモック
(部屋でハンモックで昼寝すると快適らし
 い)
等々

本当は、令和ならでは、と下記(五百円の
方)を入れたかったのですが、気づいたと
きには配布日2日後で手遅れでした。
https://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/emperors_enthronement/20190510.html

昨年もたくさん考えたものの、事務所で一
番偉いはずなのにほとんど却下されたので
すが、今年はどれか採用されるでしょうか。