第186回 立場

  • レポート
  • 2020.12.31

今年は事務所の忘年会をあえてやりました。

酒を飲みたかったから、とか騒ぎたかった
から、ではありません。
元々酒は弱いですし。

じゃあなぜ?
それを書きたいと思います。

人にはそれぞれ立場がありますね。

専門家会議と医師会が、コロナを大丈夫と
言うことは当面ないでしょう。
言って得るものは皆無だからです。
立場上、危ない、逼迫している、だから家
にいろ、と言う。

政府はどうか。
経済への配慮があるので、専門家の言いな
りにはなれません。
立場上、危ない、逼迫している、だから注
意して活動しろ、と言う。

マスコミはどうか。
真実のうち面白い方だけを取り上げ、弱者
の味方のふりをして政府の批判をすればだ
いたいOK。
だから、 専門家がああ言っているのに政府
はおかしい、と言う。

私もそれぞれの立場にいれば、同じように
言うでしょう。
だから、特定の誰かが間違っていると言う
つもりはありません。
(若干マスコミに対しては批判的ではあり
ますが)

かなり昔、官僚たちと仕事をしたことがあ
ります。
その時にもこうしたことを強く感じました。

関係省庁連絡会議という、省をまたがった
テーマを扱う会議があります。
そこに(単に事務局の手伝いをしていただ
けですが)参加して、内容を聞いていまし
た。

基本は皆さん、当然ながら自分の省の立場
を主張するわけです。

省益優先と言うけど本当にそうだな、と最
初は腹立たしくも思いましたが、
それだって彼らにはそれぞれの立場がある
からしかたない、と思うようになりました。

私自身、その立場になれば、
要らない設備を作ることに血眼になったり、
なくても良い規制を死守する努力をするの
だろうな、と想像できてしまったからです。

だから、人がモノを言っているときは、ど
の立場で言っているのか、と考えるのが本
当に重要です。
その人が言っているというより、その立場
が言っていることがあるからです。

また、何かの制度設計をするときは、その
人が立場を全うしたら全体が良くなるよう
にしておかなければなりません。
(要は部分最適≒全体最適にすべき、とい
う話ですが。)

そこで元に戻ります。

私の立場は、主に中小企業にお世話になっ
ている会計事務所の所長。

なので、中小企業の味方です、と言います
し、そのつもりでいます。

この立場を疑っていません。
貫くべきと信じています。

じゃあ、その人は中小企業の売上に貢献す
べきではないか?

自分だけオカネをいただいてステイホーム。
味方です、などと言いながら、困っている
お店の何十万円の予約を簡単にキャンセル
する。
良いのか?

結構考えました。
でも、そんな態度は違うし、いずれ因果が
巡って自分に返ってくると思いました。

世間の空気が気にならないわけではありま
せんし、従業員の健康はもちろん重要です。

でも日頃職場で一緒、それぞれがランチも
しています。
そんな人達でやる忘年会。

元々他のお客さんがいないため、店側は人
数に対して、数部屋ぶち抜きの大きなパー
ティー会場を用意してくれて換気も万全。

さらに例年2時間以上でやるところ、今年
は1時間20分のスピード開催にしました。
事前にお店からは、その分安くしますか?
と聞かれましたが、安くすることが目的で
はないので料理で調整してもらうことに。

このお店はうちのお客様ではありませんが、
少しでも貢献できたのであれば良かったと
思います。

忘年会1つで何を熱く語っているんだ?
とばかばかしく思われたかもしれません。

こんな時期に忘年会なんか何を考えている
んだ?
と思った方もいるでしょう。

たしかに。
コロナで直撃された経営者に接しない立場
の人が言うのも無理はないと思います。

でも私は違う立場。
そうした経営者を間近に見る会計事務所の
所長であると同時に、経営者の1人です。
売上が減る恐さや不安を知っています。

だから、批判はあるでしょうが、今回は自
分の取るべき態度に整合していたと考えて
います。

万人から好かれようとも思っていませんし、
そんなこと考えている人がいるんだな、と
それぞれの立場から考えてもらえれば結構
かと思っています。

■まとめ
___________________

あえて忘年会をやりました。

それをきっかけに「立場」について考察し
ました。

■編集後記
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年内最後の朝礼が終わるタイミングで突然、
報告があると言われ動画が上映されました。

「今年は色々ありました」と始まった映像。
何かな、と見ていると、、、

途中から
数人でやっていた頃の目つきが鋭い若い私
から、多くなった社員に囲まれ、若干油断
顔の最近の私まで、
写真が次々と流れてきました。

!!

創業20周年ですね。おめでとうございま
す。
とのこと。

その後、メッセージとともに花束や記念品
をもらいました。

自分は好き勝手にやってきたのに本当に恵
まれているな、としみじみ思いました。

あれこれありましたが、ここまでやってこ
れました。

これもお客様と社員のおかげです。
私ももちろんがんばったのですが、同業の
先生方でがんばっていない人はいませんか
ら。

改めて、これまでありがとうございました。

油断せず、頑張ります。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。