第198回 ITツールの影響

  • レポート
  • 2021.12.31

WEB会議
便利ですね。

はるか昔、たまたま訪問する機会があった
NASA(もしかしたら同時期に訪問した
NOAAだったかも)の研究所でCU-SeeMe
というツールを実演してもらったことがあ
ります。

隣の研究棟の人、さらにはもっと遠くの人
とこれでテレビ会議をできるのだ、
どうだすごいだろう、と。

WEBによるテレビ会議のはしりです。
相手の小さな粗い映像がカクカク映ってい
ましたが、それでも、さすがアメリカの最
先端はすごいなと思った記憶があります。

それから20年超
コロナきっかけでしょうが、
Zoom
Meet
Teams
WebEx
といったWEB会議のツールが現れ、日常
生活や職場で定着。
それがそのまま行政や法的要件が求められ
る手続にも広がってきています。

税務調査にもリモートが、という話を以前
しましたが、そのほかに私の周りで日常的
になってきているものの例を2つほど。

1つめ:株主総会、取締役会等
仕事柄、上場準備中の会社の監査役をお任
せいただいています。
法令上の要請があるので月に1回は必ず開
かれる取締役会、基本年1回の株主総会。

30分足らずで終わることも多いのですが、
以前は毎回足を運んでいました。

しかしWEB会議形式が認められ、コロナ
騒ぎになってからはほぼ毎月WEB参加。
他の社外役員の皆さんも全員WEBです。
(先日は車で移動中に参加の方もいました。

議論の中身やコミュニケーションには支障
なく、これまでもそれほど負担ではありま
せんでしたが、それでもやたら暑い日、す
ごい雨の日、とても忙しい日、には特にあ
りがたさを実感しています。

2つめ:定款認証
会社の設立では、基本ルールを定めた「定
款」を作成しなければなりません。

そして、株式会社や一般社団法人の場合、
定款は設立予定地の都道府県にある公証人
のチェックを受けてOK(認証)を得る必
要があります。

たとえば、川崎で設立したければ神奈川の、
那覇で設立したければ沖縄の公証人の認証
を、本人か代理人が基本対面で受けなけれ
ばなりません。

ですから、これまでは東京・神奈川・千葉
・埼玉以外での設立となると、現地の行政
書士さんに頼んでその道府県の公証役場で
処理をしてもらっていました。

それが現在、各地の公証役場とWEB会議
でつないで認証が完了できるようになって
います。

私共には行政書士法人もありますので、東
京から岩手、愛知といった各地の公証人と
直接つないで処理が完了するわけです。

まだ先方の公証人の先生が慣れていないこ
とも多いので準備に手間取ることがありま
すが、それでも画面越しにご挨拶、身分証
提示から内容確認までが5分程度で終了し
ますから簡単です。

以上、ITツールの影響で、法令の制約を
受ける手続きにも変化が、、、といことで
2点ご紹介しました。

良いことばかりのようですが、1点目は鉄
道会社の、2点目は各地の行政書士さんの
売上減の要因でもあります。

WEB会議はほんの一例で、現在は驚くほ
ど安く簡単にあらゆるITツールが使えま
すから、これによって自分の仕事が減るこ
ともあるでしょう。

それによる売上減を恐れるのではなく、積
極的に活用してできることを増やす方向で
考えていかないといけませんね。

■まとめ
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ITツールは法令の制約を受ける手続きに
も変化を与えている。

活用して、できることを増やすしかない。

■編集後記
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今日は大晦日。
今年も1年ありがとうございました。

大晦日31日当日は、父、弟、息子(中二)
と一緒にゴルフを予定しています。

このメルマガが配信される頃には帰ってき
て一息ついているはず。

孫のコースデビュー、おじいちゃんが昨年
から楽しみにしていましたが、結果はいか
に。