(メルマガ)経費つけすぎ問題

  • レポート
  • 2023.03.15


個人確定申告も今日3月15日で終わり。
会計事務所の繁忙期もひと段落です。

会社の決算月は3で割れる月に多いものの
まんべんなく分散していますが、個人は100
%12月で締めて翌年3月15日申告と決まっ
ていますから、どうしても集中しがち。

そのため、私共の事務所では法人に対して
一定割合以下に抑えているのですが、それ
でもやはりいつもよりは忙しくなります。

そんな個人確定申告。
例年もあって、今年もあったのが、経費つ
けすぎ問題でした。
要は、なんでも経費にしてしまう問題です。

問題が起きる主な原因は、
個人の方は
・税務調査を受けた経験がない
・経費の範囲が会社と同じと思っている
が多いからのようです。

税務調査を1回でも受けたことがあれば、
あんな気持ちになるくらいならこんな経費
つけるのは止めておこう、と思うところで
すが、想像しにくい。
指摘されたら言い返せば良い、ということ
なのでしょうか。
でも、経験していないものですからしかた
がないかもしれません。

ただ、
「経費の範囲が会社と同じと思っている」
については、
「同じではない」
と知っておいた方が良いと思います。

ネットでの情報も、会社であればOKの話も、
それを個人事業にそのまま当てはめるとNG
になります。

・会社であれば経費になる
・個人事業の場合にはならない
ということがあるからです。

感覚的なものではありません。
実際にそう決まっています。

ここでの個人の税金とは所得税ですが、
所得税で必要経費とは「収入金額を得るた
めに直接要した費用の額」とされています。
特に重要なキーワードは「直接」

会社は、その存在自体が営利目的なので、
基本使ったものは経費。
明らかにそうでないものを外す考え方にな
ります。

一方で、個人はそうではありませんから基
本は生活費、売上獲得のために「直接」使
ったものを取り出して経費にするわけです。

税務調査に対応していると、所得税の調査
官の多くは、このことをかなり前面に出し
てきます。
「直接使ったものと言えるのかどうか。」

会社であれば、現在の事業に直接関係なく
ても
ビジネスチャンスを探りに行った。そこで
食事をした。
それらは旅費であって、会議費や交際費で
ある、と基本、認められます。

一方で、個人はそうではありません。
現在の売上獲得のために、今回の旅行は、
会食は、どのように直接的に関連している
のか、ということが議論になります。

先日の所得税の調査でも、
同業者との情報交換や贈答品のやり取りで
さえ、
関係が希薄な方の分まで経費にしているの
はいかがなものか、と指摘されました。

最終的には修正対象から外れましたが、会
社であれば議論にもならないような話です。


ですから、賃貸経営をしている大家さん業
(不動産所得)で、賃料を超える大きな赤
字になるまで経費を計上するなどあり得な
いのですが、そこをあえて実際に戦った人
の戦記を見ることができます。

サラリーマン大家さんが経費をたくさんつ
けて全面否認された事例
https://www.kfs.go.jp/service/JP/82/05/index.html

さすがに法人でもダメな内容も多いのです
が、
「所得税法第37条第1項によれば、不動産所
得の金額の計算上必要経費に算入すべき金
額は、その年における不動産所得の総収入
金額を得るため直接に要した費用の額及び
その年における不動産所得を生ずべき業務
について生じた費用の額あり、家事上の経
費及びこれに関連する経費(以下「家事関
連費」という。)は、原則として必要経費
に当たらない」
と前置きされ上で、

飲食代、タクシー代、祈祷料、宅配便代、
電子機器代、事務用品代、カード年会費、
スーツ代、作業着代、廃品処理代、備品代、
自転車代、コンタクトレンズ代及びコンタ
クトレンズ購入に際しての診察代、妻への
給与、俎上に上がったすべて否認されてい
ます。


以上、今回は、所得税では、法人税以上に
経費のつけすぎに注意しましょう、という
お話でした。

■まとめ
___________________

個人の経費は会社の経費よりも範囲が狭い


■編集後記
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前回「4月に手術を予定してます」の件、
延期になりました。

・MRIで見るとそんなに悪くない。
・痛いだけだから(?)まぁ大丈夫。
・人工骨には寿命もあるし。
とのこと。

一応納得なのですが、
・今すぐやらないとダメ、と脅された前回
 とのギャップ
・ドクターが「自分はもうすぐ転勤だし」
 と言ったこと
・時間が押していて早々に診察が終わった
 こと
が少々気になりました。

ん?

念のため、大学病院で偉いお立場の先生の
ご紹介を受けて、いわゆるセカンドオピニ
オンを聞くことに。

手術は時期尚早と言う点で結論は同じでし
たが、
・なぜ痛いのか
・何をしてはいけないか
・何をした方が良いか
・中長期的な対応をどう考えるべきか
ご説明いただき、よく理解できました。

同時に、過去の手術後、
これからは
・一生太らない方が良い、
・重い物は持たない方が良い、
・こうした運動をした方が良い、
などとあれこれ言われていたことを思い出
し、改めて気をつけることになりました。

時期を外して手遅れになるようなものでは
ないから、様子見をすること自体にリスク
はない、ということも大きな安心材料。

単に先送りといえばそれまでですが、ちょ
っと様子見します。
お騒がせしました。