(メルマガ)ChatGPTはこんな奴

  • レポート
  • 2025.02.15

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私達会計事務所でも、ChatGPTが活躍するこ
とが増えてきました。

・プログラムを書いてくれる。
・メール案の表現を直してくれる。
・調べ物を手伝ってくれる。
・アイデアをたくさん出してくれる。
等々、良い点がたくさんあって、こんな使
い方がある、と社内で情報共有をしていま
す。

私自身助かっているのは間違いありません。

以前ご紹介したExcelのマクロだけでなく、
他のツールのコードまで、自分でやったら
かなりの時間がかかるものを一瞬で書いて
くれます。

私は、こうしてほしいと言うだけ。
直してほしければそれも。

ですから、ありがとう!
と心から感謝することも少なくありません。

でも、油断禁物。
社内にも強く警鐘を鳴らしています。

便利で親切。
だけど信用するな。
彼(彼女?)の言ったことは必ず裏を取る
ように。
と。

なぜなら、依然として嘘やミスが多いから
です。
最近も以下のようなことがあって、正直び
っくりしました。


1)65歳・年金収入500万の税金
自分の計算チェックのつもりで聞いてみま
した。

この場合、
所得=年金収入-公的年金控除
です。

ChatGPTは、
公的年金控除を最初195.5万円
違うでしょ、と指摘したら347.5万円
やっぱ違ってない?
と再度指摘したら143.5万円(正解)
と何度も間違えました。

当然ながら、所得・税額も連動して誤回答。
彼(彼女?)が学習したものの中に、収入
から直接所得を出す速算表があって混同し
たのかもしれません。

結局、無駄な心配と時間だけでなく、誤り
を指摘する都度お詫びされるので、他人に
無理やり自分の意見を押し通したような後
味の悪さが残りました。


2)記載の要否
別件で聞いてみました。
ある事項を税務署宛の帳票に記載すべきか
否か。

ChatGPTの答え。
>所得税基本通達 203-7
>この通達により(中略)必要がないこと
>が明示されています。

ありがとう!
でもそんな通達あったんだ、と見直すこと
に。

あれ?
通達集には見当たりません。

しかたがないので
「所得税基本通達 203-7の全文を示してく
ださい。」とお願いしました。

すると
>申し訳ございませんが、所得税基本通達2
>03-7の全文は、著作権および利用規約の制
>約により、直接お伝えすることができませ
>ん。

うん?
役所の出す通達に著作権?
何か変だぞ。

「では引用したURLを示して下さい。
所得税基本通達203-7は存在していますか」

すると
>申し訳ございませんが、先ほどの回答で
>「所得税基本通達203-7」および「203-8」
>について言及いたしましたが、国税庁の公
>式サイトにおいて、これらの通達番号は存
>在しないようです。誤った情報をお伝えし
>てしまい、大変申し訳ございません。

とのこと。

続く説明が少しあった後、改めて
>この度は誤った情報を提供してしまい、
>重ねてお詫び申し上げます。今後はより正
>確な情報を提供できるよう努めてまいりま
>す。
と謝罪されてしまいました。

ChatGPTはできる奴ですが、このようにたま
に堂々と嘘をつくので気をつけないといけ
ません。

でも言い訳せずに謝るところは潔い。

なにか人間臭く、
やたら難しいことができるくせに常識を知
らない人と付き合っている気分になります。

そして私は、意外にそういう人が嫌いでは
ありません。


最近では、お客様から「ChatGPTがこう言っ
ていたのですが」と質問されることがあっ
て、困惑するケースも出てきました。

これまでのように「このサイトに出ていた

であれば、そのURLをお知らせいただ
いて確認できるのですが、なにしろ「生成
」AI。
聞くたびに違った答えをどんどん作るので
確認が困難。

新しい技術にありがちな話ですが、使い方
には本当に気をつけないといけません。


■まとめ
___________________

ChatGPTはできる奴
でも、たまに堂々と嘘をつくので気をつけ
よう。


■編集後記
___________________

公認会計士の実務補習所の同期で飲み会を
やろうという話になりました。

昨年1人亡くなったので、そのお墓参りを
かねて。

何人かに声をかけると、闘病中やら、脳卒
中の後遺症やら、残されたメンバー達も時
との戦いでなかなかの被害状況。

同期=合格したタイミングが同じ、
なので完全には同世代ではないのですが、
誤差程度。

つまり、私にとってもまったく他人事では
ありません。

そんな返信メールの中に、
「補習所の箱根合宿を思い出した。
あの頃は皆若くて元気だったね。」
とありました。

私のことだから、どうせ面倒くさいなと思
いながら参加していたのだと思いますが、
これも含めて今となってはすべて感謝すべ
き良い経験です。

20代前半だったあの頃、先にある時間は
無限だと思っていました。