第251回 長生きリスク
- レポート
- 2026.05.31
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最近、遺言や贈与・相続・事業承継にかか
わることが増えてきました。
会計事務所は、特に立ち上げ期は所長の年
齢が顧客層を決めることが多いので、私も
初期のお客様とともに相応の年齢になって
きたのだと思います。
若い経営者層中心だった顧客層が、時間の
経過とともに上に伸びてきた感じでしょう
か。
このようなジャンルの仕事を通じて、教訓
を得ることが少なくありません。
たとえば遺言をお手伝いする際。
多くは頭は元気、でも体はだいぶ衰えを感
じるというお客様が多いのですが、
その際には
「こうしたい」だけではなく、
「こうすれば良かった」にも接することが
多いからです。
中でも、本当によくある話は何か。
1.自分で使えと言われるけど
家族や(私を含む)相談相手は、財産を残
すことも良いけど、自分でもちゃんと使っ
た方が良い、と言ってくれる。
だけど、この年になってオカネなんかそう
そう使えるものではない。
豪華な料理など食べたいとは思わない
遠くに、ましてや外国に旅行など行く体力
がない
高い車を買って運転したいとも思わないし、
それだけはやめろと言われる。
今さら家や別荘など要らない。
将来のために、と稼いで貯めてきた先はこ
れだった。
もっと元気な若い頃に使えば良かったと思
う。
2.今のところオカネはあるけど
相続税を気にするほどの財産はある。
ただ、毎月入ってくる給料などから使って
いくのと違って、減っていく一方のものは
なかなか使う気にならない。
気分が良くない。
何歳まで生きるか分からないし。
結果的に、若い頃も年を取ってからも、
この先何年生きるか分からない。
なので、とりあえず貯める。
という状況が続くようです。
そして、死後にオカネが残る。
つまり、一貫して背景にあるのは長寿リス
ク。
独身だろうと結婚していようと、子供がい
ようといまいと、変わりません。
皆がここに漠然とした、しかし確実な不安
を抱えているわけです。
まぁそうだよな、とは思います。
では、これをどう考え、備えたら良いのか。
以前ここでもご紹介したことがある
『DIE WITH ZERO』
https://www.amazon.co.jp//dp/4478109680
が、【77万部突破! 口コミで話題沸騰!!】と
なっているのは、これをまじめに考える人
が多いからなのでしょう。
お読みになった方も多いかもしれません。
参考になります。
ただ、この著者はアメリカ人。
日本の制度や金融商品が前提となっていな
いので、釈然としないまま読み飛ばす部分
がたまにあります
実はそんな中に重要なアドバイスがありま
した。
何が書いてあるか。
長寿リスクは「長寿年金」で備えろ、とあ
るのです。
「長寿年金」ってなんだ?
どうやら元気なうちはオカネを払い、老後
は死ぬまで受け取れる金融商品のことを言
っているらしい。
生命保険かなんかだろうか。
でも、日本でそんな名前で売られている商
品はありません。
まぁアメリカにはそんなものが売っている
んだろう。
そう思って読み飛ばす。
私も一度はそうしたのですが、少し考えて
みました。
まずは「長寿年金」と言われることはない
ものの、日本では、民間の個人年金保険の
うち、終身年金型がこれに該当するのだろう。
だからこれに入って備えるのが一法。
うん?
でもそれ以前に、これは国の年金制度その
ものではないか。
日本の公的年金(国民年金・厚生年金)は、
まさに巨大な「長寿年金」。
死ぬまで支給され続け、「長寿リスクに備
える保険」という性質を持ちます。
年金のことを悪く言う現役世代は多いです
が、
・(完全ではないが)インフレ調整がある
・死ぬまでもらえる
・国が保証している
・民間より加入者に有利な前提
という点で、実はかなり優れています。
つまり、長生きリスクを直接カバーするも
のになっています。
また、公的年金には、年金の受給開始年齢
を遅らせること(繰り下げ)で、毎月の受
給額が増える仕組みがあります。
これをもって
早く死んだら損だとか、
払った額を取り返せない可能性が出てくる、
という批判的な議論もあるようです。
でも、その時点でもらう必要がないなら、
より高齢になるまで待って、その後は毎月
死ぬまでより多くのオカネが入ってきた方
が良くないですか?
もっと冷静に考えてみたらどうでしょう。
「取り返せなくたって良いじゃないか」
「取り返すことは本当に重要なのか」
と。
・長生きリスクをカバーして安心する
と
・払った額以上のものを取り返す
明らかに前者を優先させるべきではないか。
そう考えると国の年金制度に加入して保険
料を払っていることへの意識が変わってく
るのではないかと思います。
結果として、誰もが抱える長生きリスクに
は
民間の保険(個人年金保険・終身)を検討
しつつ、
まじめに国の年金制度で保険料を支払う。
この際、
「払った保険料が取り返せなかったら損だ
」という気持ちは捨てる。
が良いのではないか、と結論を得るに至り
ました。
いくら貯めても安心できない人が心穏やか
になって、使いたいときにオカネを使える
ようになる。
そんなきっかけになると良いのですが。
■まとめ
___________________
死んだときに使えないオカネが残る主な原
因は長生きリスクへの不安。
これは『DIE WITH ZERO』が紹介する「長寿
年金」で備えることができる。
日本では、公的年金、民間の保険(個人年
金保険・終身)がこれに相当する。
誰もが真剣に考えた方が良い。
■編集後記
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先日、税理士会から少し改まった封書が届
きました。
「え、俺何かやったかな」
何かのご指導をされてしまうのでは?
おそるおそる開封すると「表彰」の文字が。
心当たりがないので、もしや罠かと疑いな
がら読んだら、、、
税理士登録25年。頑張ったから表彰します。
とのことでした。
会の活動にまじめに参加してこなかった私
のような者にまで。
なんと懐が深いんだ、と感動しました。
ありがとうございます。







