第130回 オカネの色

  • レポート
  • 2016.04.29

オカネの色

オカネに色はないと言われます。
皆さんはこれについてどう思われるでしょうか。

「その通り」と思うのか。
「いや、やはりオカネには色がある」と思うのか。

私の答えは後者、つまり、オカネには色があると考えます。

それはなぜか。
銀行での例を出します。

例の1つを挙げると、創業時の融資。

日本政策金融公庫などでは、創業融資として一般に自己資金の2倍まで貸してくれます。(制度上はもっと貸してくれることになっている場合でも、問題なく通してくれるのが2倍だったりすることが多いのです。)

では500万借りたいと思ったら、自分の通帳に250万入っていれば良いのか。

自己資金250万という条件であれば良いはずですね。
でも実際は違います。

担当者は、その250万がどのように存在しているかを確認するのです。

ベストなのは毎月コツコツ5万ずつ50か月、要は5年近く貯めてきていること。
良くないのは、直前にどこからか振り込まれていきなり250万になっている場合です。
オカネに色がなければ同じ250万。
両者に違いはないはずですが、実際には違うわけです。

もう1つの例。
今度は融資を受けた後の例です。
特に保証協会付の場合には言われることが多いケース。

たとえば、A口座にあるオカネでぎりぎり間に合うものの、それではかなり綱渡りなのでB口座に融資500万円受ける、ということがあります。

経営者としては、B口座の500万は、本当に困った時に温存しておいて極力手を付けずに済ませたい。

でも、それをしようとすると銀行から次のようなことを言われます。
「後で戻しても良いので、B口座の500万はいったん引き出してください。」

もし、B口座の融資が本当に温存されてしまったら、必要もない融資をしたという外観を形成してしまって非常によろしくないのだとか。

融資を受けた会社にとっては同じB口座にある500万でも、いったん出てから入ってきたものなのか、そのままずっとあるのかで変わるわけです。

今回は銀行の例ですが、これに限らずやはりオカネには色があると考えるべきです。

なぜならマネーロンダリングという言葉がありますね。
日本語で言えば資金洗浄と訳しますが、要はオカネの洗濯です。

何色だかわかりませんが、ついてしまったものを洗濯するためにやるわけです。

オカネには色がある。
やはり真実だと思います。

ないと思うのは、それを問われる場面が少ないからではないか。
要は、気づいていないだけではないのか、と思うのです。

オカネの色の話。
本当は毎日のように接している税務署との話で展開すれば良かったのですが、あえて銀行の方から話をしてみました。

*********************** まとめ *****************************

オカネには色がある。
ないと思うのは気づいていないだけ。

*********************** あとがき ***************************

私共の来年度2017年3月卒の新卒採用は実質的に内定を出して4月で終了しました。
世間的にはかなり早いのですが、昨年の10月くらいから準備を始め、年明けの忙しい時期をまたぎながらやってきたので、もう十分という気分です。

私なりに例年以上に対応したのでお腹いっぱい。

でも、おかげで良い人を採用できました。
彼らもやる気を見せてくれているので満足です。
入社を決めたことを後悔させないよう、私自身、ますます頑張らないといけません。