第143回 新しい働き方

  • レポート
  • 2017.05.31

『2050年の技術』という本を読みました。
そこには近い将来現実化するであろう技術がいくつも紹介されています。

夢なのか悪夢なのかわからないような話が続く中、自分の日常、うすうす感じていた疑問を提示する一節がありました。

「現代人の生活習慣の研究では、平均的な働き手は1日に150回以上携帯電話を確認し、インスタント・メッセージやツイートなどの通知に10.5秒に1回の割合で作業を中断させられている。
 こうしたソーシャル・メディアのユーザーが、作業が中断するたびに集中力を取り戻すまでにかかっている時間は平均23分である。
 そこでこんな疑問が湧いてくる。1日300通もの電子メールの対応に追われるのが本当にわれわれの未来なのか」

特に、最後の1文。
通数もぴったりで、まさに今の自分のことを言われたようでした。

私が社会人になったばかりのころは、電話とFAXがメインで、パソコンはありましたが、1人1台の世界ではありませんでした。
そしてそのころ、急速に携帯電話が普及し始めました。
カーナビなどもそのころだったと思います。

忙しい相手と連絡を取るのも大変。
だからある程度以上の人には秘書やそれに当たる人がいました。

ちなみに今、秘書は少なくなったようです。

お客様に、秘書を教育するサービスを提供する会社があったのですが、需要が減って、休眠してしまいました。

社長がおっしゃるに、昔の偉い人のスケジュール管理は秘書の仕事だったとのこと。
それが今は、手帳すら持たず、自らスマホでスケジュール管理をする時代だから、とのこと。

昔が良かったなどとはまったく思いませんが、じゃあ
「1日300通もの電子メールの対応に追われる」が望ましい姿なのか?
というと違うような気がします。

自分が求めている組織の成長の先では、これが400通、500通になっていくでしょうから、正直考えないといけないな、と思います。

この本で答えが得られると期待したのですが、甘かったです。

「人間と機械の適切なバランスを実現するようなまったく新しい働き方とは何かを創造的に考える必要がある。」
とのこと。

まぁそうなのでしょうね。

すきま時間の利用とか、小手先の対応ではないものが必要な気がしています。

疑問に疑問を乗せられてしまったので、6月になったら真剣に考えます。
今日5月31日は、3月決算企業の確定申告期限で、私も最終確認者としてチェックすべき申告書がまだありますので。

申告期限当日にまだやっているの?と思われるかもしれませんね。

お客様からの資料がそろわないと、本当に申告期限の午後に上がってくる書類チェックなどがあるのです。
(これをご覧のお客様。ぜひ資料のご提出はお早めに)

今は電子申告という技術がある「おかげ」なのか「せい」なのか。
当日23時59分までに事務所から電子送信すれば期限内でセーフという、便利ではありますが、これはこれで求めてきた未来と本当にマッチしているのか微妙な状況にあります。

*************************** まとめ ********************************

新しい働き方とは何かを考えなければならない。

***************************あとがき**********************************
最近ビットコインや他の仮想通貨の話によく接します。

短期間で20倍30倍になったという話もざらです。

複数の社長さんから、自分の知り合いは仮想通貨で十億、場合によっては百億近い資産を短期間で積み上げた、という話も聞きます。

会社で取引されるお客様もあって、会計や税制も追いついていません。
通貨だけれど、ビットコインを買ったり売ったりすると消費税がかかる、という違和感のある現実があって、遅ればせながら、今年7月から他の通貨同様、課税対象外になります。

ということは、既に自分が課税事業者であれば、直前までにいっぱい買って、7月以降に売れば、消費税が単純に還付されるのでは?というアイデアが出てきて、でも税制改正をよく見ると、直前の6月の取引に対してはそれが封じる取扱が設けられていた、といった混沌とした状況になっています。

このため、相場変動とは別に、会計事務所としてもどこに制度上の落とし穴があるのか正直恐いくらいです。
後で税務署がしらっと、この改正は実はこうなっています、と言ってきて修正申告ということが起こりかねないので。

このような歪みが生じたところにチャンスもあるのでしょうが、リスクもあります。
落ち着いたところでレポートしたいと思いますが、皆さんもぜひ研究してみてください。