第11回 税務調査について

  • レポート
  • 2003.09.05

先日、お客様のところに税務調査が入り、立会いをしてきました。

社長はもちろん、立ち会う私も憂鬱なことに変わりないのですが、しかたがありません。 会社はそのときに備えて帳簿やその他の書類をちゃんと揃えようとし、その安心を得るために弊社や私のような税理士を頼りにしていただけるという側面があるわけですから。 (世の中から税務調査がなくなれば、うちのような仕事の需要はかなり減ってしまうでしょう。)

今回も、1週間前に事前予告、2日間で法人・消費・源泉、という一般的な流れで進みました。 税務署の方は今回も礼儀正しく、決して失礼な態度は見せませんが、やはりプロです。 納得いかない部分は何回かに分けて繰り返し質問し、資料を要求します。 どんな会社にも聞かれたくない点の1つや2つはあるのですが、そこを狙ったように聞いてくるのはさすがです。

最近はメールで仕事が進むケースが多いので、そのメールを見せてください、とモニタ横に座って、時にはその場でプリントアウトを依頼して持ち帰るようなことも出てきました。 ちょっと前までは紙で用意されたものだけを見ていましたが、最近の取引の電子化で調査方法にも変化が出てきているようです。 そのため、紙ベースの資料だけで体裁を整えて安心していると、今後は痛い目にあう、ということも多くなるかもしれません。

税務調査の関連本は何冊も出ていて、メールのプリントアウト、資料のコピーの要求には応じなくても良い旨書かれていますが、そうはいっても、無用な誤解を与えてしまうのは困るので、実際には調査官の依頼を拒否することは基本的にはできないと考えた方が良いと思います。

税務調査は無理難題をふっかけてくるものではありませんので、日ごろの資料整備と、調査前の総合的なチェック及び準備が重要です。

そのためには、日ごろの処理に聞かれて困るようなポイントはなくすようにして、かつ、調査前には顧問税理士と十分に打合せ・準備をすることが必要です。 それにより、(まったく無傷ということは稀ですが、)予想もしなかった多額の税が発生することは避けられるはずです。

なお、税理士の先生の中には、ごく稀に調査の立会いを行わない契約をされるケースもあると聞きますので、契約する前には事前にその点を確認をされるのがよいと思います。 (通常は調査のあったときには別料金で対応します、という契約になることが多いようです)