第208回 訃報

  • レポート
  • 2022.10.31


訃報に接しました。

かつてこちらにも登場いただいた社長です。

社長列伝(3)潜入捜査官
https://www.ascinc.co.jp/report/358/

私とたまたま同学年で、がんとの闘病の末
でした。
52歳、やはりあまりに早い。

独立して間もない20年以上前からお付き
合いがあって、親しくしてくれた一方、た
いして実績も経験もない私を、当初から「
先生、先生」と立ててくれていました。

人懐こい雰囲気で、私が知らない世界の話
をたくさんしていただきましたが、もうそ
れが聞けないと思うととても残念です。

10年ほど前でしょうか。
お互い40過ぎたころだったと思います。

若くしてがんで亡くなる人もいるようだか
ら、先生もちゃんと検査して変な食品は食
べないようにしてくださいよ、と言われま
した。
たまたまそんな知り合いが続いたんだ、と
のことでした。

それがご自身が末期のがんになったと伺っ
たのは2年ちょっと前。
余命や抗がん剤の話を聞いた後、別れ際、
有楽町駅の看板をバックに二人で写真を撮
ろうと言うので撮った時のなんとも寂しい
気持ちを思い出します。

一時期は食事をご一緒したりできたのです
が、終盤は調子の良い時に辛うじてWEB
会議をできる程度に。

胃がんでした。
無念そうに、ピロリ菌にやられましたよ、
とのこと。

自分は豊かな水で有名な土地の出身。
子供のころは井戸水とかも平気で飲んでい
た。
あれが良くなかったのかな。

日本はピロリ菌には寛容だから、長じてそ
れをケアすることもなかった、と。

実際、ホリエモンさんも少し前ですが著書
で、これに強いメッセージを出しています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4814920032
>胃がんの99%はピロリ菌が原因なのだ。
>ひとりでも多くの人がピロリ菌検査をして
>菌がいる場合にはきちんと除去さえすれば
>胃がんを劇的に減らせるということだ。

このあたりのくだりは生保を扱った回にも
少し書きましたが、単に節税目的でご紹介
したガン保険にたまたま加入されていたの
は、せめてもの救いでした。

生前から千万単位の保険金が入ってきて、
働けなくなった後の奥様との生活も、金銭
的な不安からは多少距離を置くことができ
たようです。

元気なうちは健康診断とか保険とか、どう
しても後回しになりがち。

最近は税制面の改正により節税効果も減っ
ていますから、私たちも積極的には触れて
ません。
(元気な社長さんにご紹介しても、節税に
ならないなら結構です、と一蹴されるのが
おちなので。)

ただ、がんに限らず、こうしたことに直面
すると、病気などで働けなくなった場合の
想定はやはり必要だな、と痛感します。

今は、お客様ご自身が気づいていないから
こそ、私たちが長期的な視点でご案内して
いくべきなのかな、と考えています。

これをご覧の皆さまも、経営者であろうが
なかろうが、他人事とは思わず、万一のこ
とを真剣に考えると良いのだと思います。


■まとめ
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訃報に接しました。

とても残念です。

■編集後記
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本稿のようなことを書いていると、周囲の
人達とともに日々過ごしているだけでも感
謝すべきだなとしみじみ思います。

今回の調査官の対応、事務所の○○君のミ
ス、中学受験が近い娘の成績、持っている
金融商品の値動き、
命や健康に比べればすべては些事。
その些事の1つ1つに関われていること自
体がありがたい、と今だけかもしれませんが、
達観した気分になってます。