第52回 暇に耐える心

  • レポート
  • 2009.10.26

最近、社長などのトップマネジメントとして成功するために必要なことを考えています。
その1つは意外なようですが「暇に耐える心」ではないかと思います。

もちろん、仕事がないときに我慢する、という表面的な意味ではありません。

このような誤解を生みかねないので正確に言うと、
「雑務からあえて自分を遠ざける強い意思」と言い換えることができます。
ここで雑務とは、トップ自らがする必要のない作業全般のことを言います。

人は、考えずにこなすだけの作業をしていても仕事をした気になります。
むしろ、時間をかければそれだけ進むので時に満足感ももたらします。
これが一社員であればそれはまったく問題ありません。
しかし、経営者はこうした作業を自ら遠ざける努力をする必要があります。
作業をして満足してはいけないのです。

そして、より長期的、戦略的な思考をするための時間を作らなければなりません。

このようなすぐには答えの出ない、もしくは良いことばかりでない将来の課題と向き合うのは苦しいことでもあります。
社員や外注がすれば良い仕事を、自ら取り込んで得した気になる方が簡単です。

しかし、自分を暇にしてあえて重要な問題が考えられる、考えるしかない状況に追い込む必要があるのだと思います。

お客様の中に、「以前は手帳が予定でいっぱいなことで満足していた時期があったが、今はあえて空白を求め、それで良しとしている」とおっしゃる方がいます。
経営者として一段階上がられた方の言葉だと感じました。

かく言う私の予定は、細かい用事がバラバラ入っていてとてもその域に達していません。
常に自分しかできないことだけに集中し、それ以外は部下に任せるように心がけ、少しずつ状況を改善しています。

今回は言うのは簡単で、とても大事だけれどもなかなかできないことを、簡単に言いました。

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インフルエンザが流行中です。
うちでも対策を、ということで、私共の事務所では在宅勤務の実証実験を始めています。
セキュリティ面、事務所のPCやサーバーにあるデータをどう参照するか、という運用面が特に問題だったのですが、これを解決するため、会社のPCに遠隔でログインできるツールを用意しました。

これが結構良い感じです。
具体的には、パスワードのかかった専用USBを自宅PCに挿すと会社のPCが遠隔操作できるというもの。

自宅PCには事務所PCの画面情報だけが転送されてくる、いわゆる「画面転送」で、一切データを残しません。
事務所のサーバーには普通にアクセスできますし、当然ながら、自宅PCに事務所で使用しているメールソフトや会計・給与関連ソフト等のアプリケーションのインストールも必要ありません。
若干画面がカクカクしますが許容範囲内です。
私だけでなくスタッフにも自宅で作業させてみましたが特に問題ありませんでした。

是非ご紹介したいのですが、私共で加盟する会計税務団体が2ヶ月ほど前から会員事務所向けにサービス開始したもので市販されていないようです。

要は「リモートログイン」ないしは「リモートアクセス」、「リモートデスクトップ」で、Windowsに詳しい方はこんなものはなくてもできるのだと思います。
しかし、それほど詳しくもない私共事務所のメンバーがセキュリティもクリアして実現するのはやはり難しく、この点とてもありがたいです。

今回本文で書いた、自分を暇にする趣旨とズレているかもしれませんが、自宅から会社のサーバーを見られるのが便利で、私は最近毎日のように「実験」しています。