第132回 引き際

  • レポート
  • 2016.06.30

ユニクロの柳井さん、ソフトバンクの孫さん。
皆さん引き際を悩まれるようです。

若い頃は60になったら、65になったら、労害を避けるべく潔く引退。
そんな決意をしていても、実際にその年になったらできません。

孫さんご本人も、かなり悩んだ上での引退撤回なのでしょう。

撤回なんか格好悪いな、でも続けたい。
権力もある。やりがいもある。
まだまだやれる。
と思ったのかもしれません。

同じテーマは、中小の経営者にとってもあります。
先日も、職人さんを使う会社の社長さんがおっしゃっていました。

職人さんには年上の方もいて、60、70になっても若い者には負けない、負けていない、と言うそうです。
ただ、客観的に見ると明らかに負けている。
それに本人が気づいていないだけ。

これを見ていると、経営者である自分(社長ご自身)も、ある年齢を決めて、その年になったら自ら引退しなければならない。
自分では気づかないだろうし、誰も言ってくれないだろうから、と。

たしかに、
59歳の孫さんと60歳の孫さん。
ほとんど違いはないでしょう。

じゃあ、60歳と61歳。
これもまぁ変わらない。

・・・とやって行って、74歳と75歳。
これもまぁ一緒。

じゃあ59歳の孫さんと75歳の孫さんは一緒なのか?

事前に決めておかないと区切りが付けにくいという理由はここにあるのでしょう。
やはり、失敗したとしても、決めておくべきなのかもしれません。

柳井さんや孫さんの判断を私は良いとも悪いとも言えません。
彼らのパフォーマンスはもっと若い経営者をはるかに凌駕していますし、そもそもその年になって分かることも多いだろうからです。

「この年になって分かったこと」「この立場になって分かったこと」というのはいつでもあります。

私も15年後だか20年後だか分かりませんが、社会人としての現役生活は残りを数えた方が早くなってきました。
先達の引き際も参考にしつつ、日々を大事に生きていきたいと思います。

*********************** まとめ *****************************

経営者の引き際は難しい。
失敗例も多いが、事前に決めておくしかないのかもしれない。

*********************** あとがき ***************************

先日セミナーに行ってきました。

いつもは、会計税務関連のセミナーが多く、聞いているだけだし、なんとなくわかっていることも多いので、たまに居眠りをしたりしてのんびり聞いて帰ってきます。

しかし、今回は信託や成年後見という特殊領域で、8割が事例に基づく提案の演習・発表というもの。

周りは弁護士や司法書士を含め、基礎知識があってきている方も多く、それも北海道や沖縄、広島、三重、大阪などの地方から気合を入れてのご参加も多数。

予備知識も十分でなく、2駅先から遅れないように到着した私とはその時点で違います。
そのため、6時間のセミナー中の緊張感と、終わった後の疲労感をかなり味わいました。何かと指名を受けて発表させられるので、当てられたら嫌だな、という気持ちにもかなり久しぶりになりました。

4回シリーズの1回目が終わったばかりですし、答えのない宿題まで出されて少々憂鬱です。

その分頑張るし、信託という領域の可能性は実感しましたので、結果的にはこの方が良いのだとは思いますが。